「へしこ」ってご存じでしょうか?
「へしこ」ってナニ?
若狭地方の街道でちょいちょい見かける「へしこ」の文字にそんな疑問を持たれる方も多いのでは?
「へしこ」は福井県若狭地方に伝わる伝統食で、日本海で捕れる魚に塩をして米ぬかに漬け込んで長期発酵させた保存食です。
【へしこ】
青魚に塩を振って塩漬けにし、さらに糠漬けにした郷土料理、および水産加工品である。
若狭地方(福井県)および丹後半島の伝統料理で、越冬の保存食として重宝されている。
Wikipediaより
雪深い日本海。11月も終わりになると時化で漁に出られない日が多くなる。
「へしこ」はそんな気候風土のなかで育まれ、代々伝えられてきた各家庭伝来の味です。
「へしこ美味しいけど、あの塩っ辛さじゃあ塩分が気になって・・・」という理由で敬遠される方はおられないでしょうか?「へしこ」は各種ミネラルとアミノ酸の微妙なバランスの上に成り立った発酵食品。
糠のビタミンによる新陳代謝活性化、青魚に含まれるDHAなどの効用が知られています。
また、福井県立大学生物資源学科の赤羽教授の研究によると「へしこ」は生サバに比べアミノ酸が2.5倍、ペプチドは5倍にもなります。
この大量のペプチドが、血圧の上昇を抑えるのに大きな効果を発揮します。
夏バテに良い食べ物とされてきた「へしこ」の効用が科学的にも証明されたわけです。
厳寒の寒さの中、鯖を割って内臓をきれいに取り除き腹に塩を詰める塩漬けは、丸々と厚みのあるサバを一本一本傷つけないように丁寧に、、、。ヒシオが浮いたら塩を落とし、調味料や糠と一緒に再び樽に重ね入れる。最後に重石をしたら、夏の土用をはさんで1年から2年寝かせておく。。。
夏の土用の暑さを経て、はじめて鯖と糠の旨味が溶け合い、サバは「へしこ」変わるのです。