魚のぬか漬け「へしこ」の製法を4回に分けてご紹介しています。
今日はへしこ作りの仕上げ段階【発酵編】です。
【鯖のへしこの製造方法】 ちょうべい流 ~発酵編~
1年以上寝かせて発酵させる
へしこは、冬仕込みの土用越えをすることが大切だと言われています。
夏の暑い時期を越すことによって、糠の発酵を促し、乳酸菌などの微生物の活動が活発になります。そうすることで、いろんな化学変化を生み出し、鯖が本来の旨味以上の極上の仕上がりなります。真夏になると、へしこの樽から「ボコボコ」と発酵が進んでいる音が聞こえてきます。
塩と糠だけで始まるへしこ作りですが、鯖の脂と微生物が生み出す様々な代謝物によって、想像をはるかに越えた多重奏の深い味わいになると言えますね。
このように、1年がかりで仕上がった【へしこ】は発酵と熟成を経て、栄養も旨味も増した食材へ、さらに酵素や菌の活動によって、消化吸収されやすい体に優しい食品に生まれ変わります。